最近の話題から 「グリコのおまけが木製に」

 グリコではおなじみのおまけを、プラスチック製を止めて木製にした。

 過去にも1953年~1959年、1998年~2005年にも木製のおもちゃが採用されたが、今年の3月から5年ぶりに3回目の復活になった。

 木製のおもちゃの効果もあったのか、グリコの3月~5月の売り上げは前年同月比の70%増とのこと。

 木製にしたのは、手のぬくもり感、独特の手触り感で木を選んだとのこと。

 プラスチックに比べて手間やコストはかかるが木製の良さが消費者に受け入れられるのだろう。

 木の評価を行なう時、ぬくもり感、独特の手触り感といった官能評価で評価されることが多く、自分は熱伝導率や吸放湿性など科学的に数字で評価したほうが、と思った時期もありましたが、理屈ではなく、この官能的な評価が木材の評価としては一番伝わりやすく、納得していただける、と最近は思うようになりました。

不燃処理木材

 先月、日本木材保存協会の年次大会で研究発表のあった「吸湿性を抑えた不燃木材」に興味を持ち、サンプルを取り寄せました。(奈良県森林技術センター・㈱ヨコタニ)

 今日は朝からずっと雨模様で室内もかなりの湿度ですが、サンプルは全く溶脱をしません。(表面に水滴がつくどころかべたつきさえしません。)

 当社でも2年前までは木材の不燃処理を行っていましたので薬剤の白化、溶脱には悩まされました。

 白化の原因となるホウ酸も、溶脱の原因になるリン酸アンモニウムも使わない薬液の設計で調製されています。

 不燃処理木材はその溶脱を抑える為には塗装による表面被覆を行ないますが、根本的な解決にはなりませんでした。

 今まで不燃処理木材を使用された現場をいくつか見ました。色んな工夫はされていますが特に外部の使用に関しては、どうしても白化は抑えられていないのが実際のところ。

 今回のこの薬剤、これなら室内はもちろん、外部でも工夫すれば使えるなと期待が持てます。

今日のニュースの中から(ミニストップの木造店舗)

 イオングループのミニストップは木造店舗造りを進めている。

 店舗を木造にする事によって鉄骨造に比べ建築コストは10%削減、CO2排出量は33%削減できる。更に使用する木材は国産間伐材のFSC認証材を採用している。

 今のところ5店舗とのことですが、このような環境配慮型の店舗が増えることは、建築物の木造化、国産材利用を推進している我々木材業界にとってはとてもありがたく、心強い記事でした。

第3回江東区環境フェア

  6月6日(日)に江東区潮見のえこっくる江東で第3回江東区環境フェアが開催され、行ってきました。

 多くのブースで色んなイベントが開催されており、興味深く各ブースに立ち寄りました。

 普段は環境についてじっくり学んだり、考える機会が少ないので良い機会になったと思います。

 昨年会社から半ば強制的にeco検定を受検させられ(?)エコピープルの資格を取得しましたが、検定を受検するために勉強したことでエコに関心が持てるようになりました。

 当社細田木材では木材製品は炭素を固定するので出来るだけ長く使えるよう家具のリフォームなどで再生利用にも力を入れています。

  またペットボトルキャップの収集寄付や工場、事務所でのエネルギー消費削減によるCO2削減対策にも取り組んでいます。

カーボンフットプリントについて

 5/26に行なわれた日本集成材工業協同組合「講演会」で東京農工大学の服部順昭教授より「温室効果ガス排出を見える化するカーボンフットプリント(CFP)とは?」という内容でご講演いただきましたのでその内容をまとめさせていただきました。

 カーボンフットプリント(CFP)とは炭素の足跡のことで、CFP制度はライフサイクルアセスメント(LCA)の手法を活用し、温室効果ガスの排出量をCO2換算で表示する仕組みです。

 LCAは製品やサービスの資源調達から製造、使用、廃棄にいたるまでのライフサイクルにおいて投入した資源量やエネルギー量、環境に与えた付加量を求め環境への影響を総合的に評価する手法です。

温室効果ガスの削減と、副次効果として化石埋蔵資源の延命も期待できます。

 木材の関連では、林野庁が今後の方針として「木材利用に係わる環境貢献度の定量的評価手法について(中間取りまとめ)」に沿って「見える化」を推進してゆきます。

 「見える化」に必要な目安となる平均値やデフォルト値は使用量の多い製品から、製材、集成材、合板、PBを取り上げ国産材、外材の別でNPO法人の才の木が試算を行なっています

 CFPを算出するにはPCR(商品別算定基準)が必要です。これは業界全体で作る必要があり木材製品の原案策定計画の申請は才の木が申請を行なって平成21年9月に産環協がPCR計画登録番号PPR-043で計画承認しています。

 対象製品は(丸太)、製材、集成材、合板、パーティクルボード、繊維版、防腐処理木材、複合床板で第一回PCR原案策定WGが2月に開催され、来月7月ごろに申請の予定です。

CFPはエコを推進するのに大切な制度で今後の制度の構築が期待されます。