政府、低層庁舎や学校は木造に 林業再生へ方針大転換

 国や自治体が学校や図書館、庁舎など公共施設を新たに整備する際、低層の場合は原則としてすべて木造建築とする基本方針を政府がまとめたことが20日、分かった。対象は高さが13メートル以下、軒の高さが9メートル以下の両条件を満たし、延べ床面積が3千平方メートル以下の建物。2階建てと平屋が中心となる。すべての公共施設で内装や備品、燃料の木材利用を促し、停滞している林業の再生を狙う。

 政府は建築物の不燃化などのため、公共施設の「非木造化」を進めてきたが、国主導で木材利用を進める「公共建築物木材利用促進法」の来月1日施行を踏まえ、抜本的に方向転換した。10月中に正式決定、省庁や自治体に施設の木造化に努めるよう求める。

 基本方針は「戦後植林された人工林資源が利用可能な段階を迎えつつある一方、利用は低調で価格も低迷している」と指摘。公共施設に木材を使う量を増やして林業を振興し、森林を育てることで二酸化炭素吸収による地球温暖化防止も目指す。

 また低層建物だけでなく、すべての公共施設で、目に触れやすいエントランスや窓口、記者会見場などの内装、机やいすなど備品、暖房器具の燃料に木材を利用するよう求めた。   (9/20共同通信ニュースより)

公共建築物木材利用促進法が10/1に施行されますが、国主導の木材利用が更に進んで国産材の利用拡大や広い意味での木材利用拡大に追い風になってくれそうです。

屋久島「翁杉」倒れる

  世界自然遺産に登録されている鹿児島県・屋久島で、自生している屋久杉の一つ「翁(おきな)杉」(高さ23・7メートル、幹回り12・6メートル)が、地面から高さ約3メートルの部分で折れて倒れていたことが分かった。推定樹齢2000年。枯れていない屋久杉では縄文杉の16・4メートルに次ぐ幹回りだった。                                                                毎日新聞ニュースより抜粋

 9/10だったそうです。

 私は屋久島には行ったことがありませんので実物は見ていないのですが、我々人間も含め、命あるものはいずれ終末の日を迎えることはわかっていても残念です。2000年前というと邪馬台国卑弥呼の時代ですが、正直ピンときません。

WEDGEの日本の森林「孤独死」寸前

 店頭に並んで2週間経ちましたが、遅ればせながらWEDGの日本の森林「孤独死」寸前を読みました。評判どおりのよくまとめられた興味深い内容でした。

 林業は全くの素人ですが、現在の日本の森林(人工林の荒廃)の問題には関心があります。昭和55年には立方4万円したスギ丸太はいまや1万を切って山元に利益還元されず放置されている。我々集成材業者がラミナ用材に調達するのも12,000から15,000ですが、ほとんどは針葉樹合板用で安定供給されない。

 先日U洋行で、九州のある県のスギ材の利用拡大のセミナーがありました。県、技術センター、製材業者、利用者から何とかスギ材を利用拡大したいという熱意が伝わってきましたが、機能がこんなに優れているから使ってください、に加えて販売方法の工夫、サプライチェーンの構築、安定供給の体質を作ること、同じ構造材でも集成材に利用やプレカット技術で付加価値を高める工夫が価格下落しないで供給を増やすことが出来るのかもしれません。

 我々木材業者は森林の役割を木材供給の部分でとらえてしまいがちですが、森林の役割は国土保全機能、生物多様性の保全、地球温暖化防止という大きい役割が有り、自給率にあまりにもこだわりすぎるのも少し方向が違うのかなとも思います。

 学生時代に演習林実習で植林したヒノキはどうなったんだろう。