(財)日本木材総合情報センターの木材情報誌11月号「公共建築物の木造化に向けた狙いとその背景」(森林総研 青木秀樹氏)を読んで

 10月1日に施工された公共建築物木材利用促進法の現状の課題と問題点が述べられていて興味深く読ませてもらった。

 この促進法は木材の自給率の向上を目的とする法案である。

 2009年の新設着工戸数は80万戸割れと危機的状況で、この建築用需要の減少分を潜在的に木造で対応可能な公共建築物に期待がかかるが、木造住宅の需要減をカバーするほどの規模ではない。あくまで起爆剤的な位置づけであるとのこと。

 また戸建て住宅と公共建築物では建築物としての特徴が大きく異なる。公共建築物は住宅とは全く別物の建築物なのだ。

 現在流通している木材の一般市場の大多数は木造住宅用の構造材で公共建築物のニーズにマッチしていない。

 階高、スパン、設計荷重に小さからぬハードルが存在する。

 しかしアイデア1つでは長いスパンには例えば構造用集成材などの活用等、木造建築技術開発が解決の鍵になる。

 木造建築は他の工法に比較して優れた点は多いものの、コスト高が木造推進化のネックとなっている。

 木造の建築コストを下げる為の架橋方法の研究や、混構造の活用など解決策も手段もありその活用、取り組みが重要で木造に関わるものの腕の見せ所、と延べられている。

 記事原文は同題名の当社新着情報(ホームページトップページ)に添付のPDFファイルをダウンロードしてご覧ください。

東京湾の新名所となる「(仮称)東京港臨海大橋」の正式名称が「東京ゲートブリッジ」と決まりました

 去る11月17日、国土交通省と東京都は今迄「(仮称)東京港臨海大橋」とされていた東京港に架けられる新しい橋の名称を、この夏一般募集した中から吟味、検討した結果「東京ゲートブリッジ」と命名し発表致しました。この橋は中央防波堤外側埋立地と新木場若洲地区を結ぶ全長2.9kmに及ぶもので、完成すれば大田区羽田地区と新木場が直結され、京浜工業地帯と京葉工業地帯を結ぶ新たな幹線道路が生まれることになります。一般車も通行無料、往復4車線で歩道からは都心や臨海部が一望され、夜間はLED照明でライトアップされ東京湾の新名所となること確実です。

 今、新木場から東京湾を望むと、巨大な2頭の怪獣が今まさに戦いを挑まんとするがごとく左右(東西)から橋梁工事が進められております。ドッキングは来春2月、完成・開通は1年後の平成23年12月の予定です。

 <余談> この橋の西側接続部である中央防波堤(300万坪に及ぶ広大な埋立地)の領有権をめぐって、大田区と江東区が暑く燃えております。尖閣列島の例にならない為にも石原都知事の英断が待たれるところです。

是正処置

 守秘義務違反に反した情報漏えいは確かに問題で、今後の捜査の進展内容によってはしかるべき刑事罰が必要になるのかもしれません。

 ただ今回の政府の対応を見ていて感じたことは、あまりに犯人探しに躍起になっているように見えること。誰だ、俺の顔に泥を塗ったのは!!

 どこかに責任を押し付けてご破算という対応は改善につながらないし、体質的に違っているように思います。

 相撲の野球賭博事件でも正直に話したら生贄みたいになってしまった。

 罪を罰することも必要ですが、再発防止のための仕組みづくりがもっと大切。

 当社工場でも不適合の原因(犯人ではない)を調査し除去して再発防止に努めています。

 普通はこのような対応だと思うのだけれど・・・

森林の異変 鈍った感度(日経新聞)を読んで

10/30日経新聞夕刊の小川真さん(菌類学者)の「松林と日本社会」を読んだ。

 今、日本の松林はマツ枯れにより惨たんたる状態にある。

原因はマツ枯れの原因とされるマツノマダラカミキリやマツノザイセンチュウがいないのにかれてしまう。根が腐って衰弱死しているらしい。

マツはやせた土地を好み雨量が少なく乾燥し、他の植物が繁茂できないような限界ぎりぎりのところに育つ。

原因は指摘されていないが、大気汚染など環境の変化や日本の温暖で多雨な気候条件によって他の植生に負けてしまっているのだろうか。

そういえば30~40年前迄は日本の里山の大部分はマツに覆われていた。私の育った生家の近所の山も今は松林は衰え照葉樹の林になっている。

ところが日本ではマツ枯れを気にしないし、山々の木々が異様に枯れても関心が薄い。人々の自然に対する感受性が非常に薄くなっている、と小川さんは指摘する。

森林は意外なほど正直に人の心や生活のありようを映し出す。

 小川さんは松林再生活動を支援している。マツと相性のよいキノコの菌を苗木に植え付け炭を周辺に埋めて根付かせる方法だ。枯れても枯れても苗木を植え続けることが大事、といわれる。

目先の経済価値にとらわれると環境や森林を守る視点を失う。

環境の変化に気付き、環境を守ることは必要だ。