あるセミナーを受講した時に、講演者が世界最大の木造建築物は東大寺の大仏殿である、と話されていた。集成材を扱っている自分としては、大断面集成材による建築物のほうが規模が大きいのに、と思い調べてみた。
純木造の建築物では奈良東大寺金堂(大仏殿)がやはり最大。自分が思っていた集成材による建築物は接合金物との組み合わせによるもので、タコマドームや飛行場の格納庫がある。また異なる抵抗力を持つ構造材を組み合わせたハイブリッド構造では秋田の樹海ドームなどがある。
ちなみに世界で一番背の高い木造建築物は純木造では京都の東寺の五重塔で55m、記録によると奈良時代東大寺にあった東塔、西塔の七重塔は101mあったらしい。接合金物併用ではドイツにあった無線塔でボルト接合した立体トラス構造で164mあったらしいが解体されて今は無い。
ついでに世界最古の木造建築物は奈良法隆寺の金堂、五重塔で607年に建立され670年に一度焼失後7~8世紀に再建、修理は何度か行なわれているが建て直しはなく世界最古の木造建築物。木材の部材としては奈良元興寺(がんごうじ)極楽坊の禅室の天井裏に使われている部材(頭貫)が586年伐採のヒノキであったと昨年判明し、世界最古の現役木造建築部材のようだ。