木造橋キノコに朽ち/大分・七瀬川自然公園 住建経済研究所さんのブログを読んで

 アフリカ産のボンゴシ材の木橋が白色腐朽菌のシイサルノコシカケの影響で腐り、耐久性が低下して通行止めの措置になったそうです。

 1999年には愛媛県のトラス橋が同じシイサルノコシカケ菌の影響で落下する事故があり、当時ボンゴシでトラス構造は無理だとか水仕舞いの工夫がといわれましたが、高耐久木とされるボンゴシ材がまた同じ原因でこのような事態になったのはとても残念に思います。

 当社も南米産の高耐久木であるイペ材でデッキ施工を行なっています。イペ、ウリンなど輸入材の高耐久材が多く使われますがその耐久性は産地で使用される環境によるもので使用環境の異なる日本での使用には工夫も必要です。シイサルノコシカケはアフリカにはありません。

使用環境・条件を良く知って輸入材料、輸入保護塗料の耐久性、耐候性の検証や施工時の工夫で耐用年数は大きく変わります。。

1、木材保護塗料(薬剤処理)は必須、特に根太部分への塗装は出来れば金属系の防腐処理+塗装の併用が望ましい(根太は腐ってしまうと修理が難しい)

2、施工時は水の滞留が起きない工夫、例えばデッキ材と根太との接触部分を小さくして水が滞留しないように根太の面を取る、丸太形状の根太を使う、またデッキ材は水が停滞しないようにかまぼこ形状にする、傾斜させるなどが有効だと思われます。ビス穴付近、木口面、地際の腐朽の対策も必要でしょう。

 折角材料に木材を選択していただいたのだから、その性能を最大限に活かして、やっぱり木材は無理だ、ではなく木材でもこんなに使えるんだ、といっていただけるようにしたいと思います。

以下住建経済研究所さんのブログより(1/29朝日新聞社の速報ニュースサイトから)

大分市の七瀬川自然公園にある木製アーチ橋「三日月橋」がキノコ菌の影響などで腐り、耐久性が低下したため市は28日から通行禁止にした。1998年の完成時はメンテナンスなしで35年以上は使えるというふれこみだった。市公園緑地課は「35年は欧州での実績で、雨が多く湿度が高い日本には合わなかったようだ」と話している。(原篤司)

 アフリカ産の耐久性の高い木材を使い、全長約67メートル、幅3メートル。建設費は3億6500万円。中州のように三角形をした同公園の緑地ゾーンや芝生広場に入る際、歩いて渡れるようになっている。完成当時のパンフレットは、防腐・防虫性が高いとされる「ボンゴシ材」を使う「自然景観にマッチした木製アーチ橋」とうたっている。

 市公園管理事務所によると、2006年7月の調査で「シイサルノコシカケ」というキノコが付いているのを発見。07年と09年にも橋のまわりに足場を組む大規模な調査を実施し、キノコを取り除くなどの処置をしたが、菌による木材の腐朽は止まらなかったという。市は近く取り壊す方針。

 橋の下には水遊びができる親水ゾーンがあり、橋の下付近の川岸も立ち入り禁止になった。公園の外側から橋を渡って緑地ゾーン方向に入るには、上流約300メートルの車も通れる橋か、約100メートル下流のつり橋に回る必要がある。
 28日昼、夫婦で橋付近を散歩していた近所の男性(70)は「税金がとてももったいない。計画性がないねえ」。妻は「さらにお金がかかるから、次の橋はいらない」と話した。

 公園緑地課の森本順次課長は「完成当時、先に同じ木材で作った橋が日本にほとんどなく、状況がつかめなかったようだ。橋が落下するようなことがあってはならないため、理解してほしい」と話す。撤去後に新しい橋をかけるかどうかは未定という。

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